イタリア語の大過去と前過去の違い
どちらも「ある過去の時より前に終わっていたこと」を表します。大過去は近過去・半過去の話で、前過去は遠過去で語る書き言葉で、dopo che・appena などの後に使います。
使い分けの表
| 大過去 | 前過去 | |
|---|---|---|
| 意味 | 大過去(〜してしまっていた) | 前過去(遠過去より前に終わった) |
| 形 | avevo / ero + 過去分詞 | ebbi / fui + 過去分詞 |
| 主節の時制 | 近過去・半過去 | 遠過去 |
| 文体 | 会話にも書き言葉にも | 書き言葉・物語 |
| 前に来る語 | già, mai, quando など | dopo che, appena, quando など |
例文で比べる
○ = 自然 △ = 通じるが、その場面・文体には合わない × = 不自然・誤り
○
Ho chiamato Sara alle nove, ma lei aveva già cenato.
9 時にサラに電話したが、彼女はもう夕食を済ませていた。
×
Ho chiamato Sara alle nove, ma lei ebbe già cenato.
9 時にサラに電話したが、彼女はもう夕食を済ませていた。
主節が近過去の話なので大過去です。前過去は遠過去の主節と組みます。
△
Appena la vecchia aveva chiuso la porta, qualcuno bussò.
老婆が戸を閉めるとすぐに、誰かがノックした。
○
Appena la vecchia ebbe chiuso la porta, qualcuno bussò.
老婆が戸を閉めるとすぐに、誰かがノックした。
遠過去の物語では前過去が合います。大過去でも通じますが、時制の取り合わせが少し不揃いです。
○
Dopo che aveva finito i compiti, Marta ha guardato la tv.
宿題を終えてから、マルタはテレビを見ました。
×
Dopo che ebbe finito i compiti, Marta ha guardato la tv.
宿題を終えてから、マルタはテレビを見ました。
主節が近過去なので前過去は使えません。前過去は遠過去の主節と組みます。
覚え方・注意点
- 主節の時制で選びます。主節が近過去・半過去なら大過去、遠過去なら前過去です。
- 前過去は書き言葉の物語・歴史で使います。会話では使わないので、読んで分かれば十分です。
- essere を使う動詞は、どちらも過去分詞を主語に合わせます(era partita, fu partita)。
確認問題
( )に入れるのに、より自然なのはどちらでしょう。
問1
Ho aspettato Luca, ma lui non è venuto: ( ) dimenticato l'appuntamento.
- ebbe
- aveva
答えと解説
正解:2. aveva
主節が近過去の会話なので大過去 aveva です。前過去は遠過去と組みます。
問2
Anna non ( ) mai visto il mare prima di quella vacanza.
- aveva
- ebbe
答えと解説
正解:1. aveva
「それまで一度も〜なかった」は、mai と一緒に大過去で言います。
問3
Quando ho aperto la porta, tutti gli ospiti ( ) già andati via.
- furono
- erano
答えと解説
正解:2. erano
近過去の話の中で「もう帰っていた」ので、大過去 erano です。
それぞれの文法の詳しい説明
- 大過去「trapassato prossimo」の意味と使い方 大過去(〜してしまっていた)
- 前過去「trapassato remoto」の意味と使い方 前過去(遠過去より前に終わった)