イタリア語の「tu」の命令と「Lei」の命令の違い
どちらも「〜してください」と指示する形ですが、相手との距離が違います。親しい相手(tu)には -a / -i、敬称 Lei で話す相手には接続法現在と同じ形(-i / -a)を使い、語尾が入れ替わります。
使い分けの表
| tu・voi | Lei | |
|---|---|---|
| 意味 | 命令法(tu・voi への「〜して」) | Lei(あなた)への命令(〜してください) |
| 相手 | 友達・家族・子ども(tu) | 見知らぬ人・目上(Lei) |
| -are 動詞 | -a(parla!) | -i(parli!) |
| -ere・-ire 動詞 | -i(prendi!) | -a(prenda!) |
| 否定 | non + 不定詞(Non parlare!) | non + 命令の形(Non parli!) |
例文で比べる
○ = 自然 △ = 通じるが、その場面・文体には合わない × = 不自然・誤り
△
Signor Rossi, guarda questo documento, per favore.
ロッシさん、この書類を見てください。
○
Signor Rossi, guardi questo documento, per favore.
ロッシさん、この書類をご覧ください。
Signor を付けて呼ぶ相手には Lei の形を使います。tu の形はくだけすぎです。
○
Giulia, guarda che bel tramonto!
ジュリア、きれいな夕焼けを見て!
△
Giulia, guardi che bel tramonto!
ジュリア、きれいな夕焼けをご覧ください!
友だちに Lei の形を使うと、よそよそしく聞こえます。
○
Marco, siediti pure, il caffè è pronto!
マルコ、どうぞ座って。コーヒーができたよ!
○
Professor Verdi, si sieda pure, il caffè è pronto!
ヴェルディ先生、どうぞおかけください。コーヒーができました!
相手が違うだけで、どちらも自然です。親しければ tu、敬称なら Lei です。
覚え方・注意点
- 親しい相手には tu(parla, prendi)、初対面や目上の人、店や役所の人には Lei(parli, prenda)が無難です。
- -are 動詞は tu が -a、Lei が -i。-ere・-ire 動詞は tu が -i、Lei が -a と、語尾が入れ替わります。
- 否定は tu が non + 不定詞(Non parlare!)、Lei が non + 命令の形(Non parli!)です。
確認問題
( )に入れるのに、より自然なのはどちらでしょう。
問1
Dottor Neri, ( ) qui, per favore.
- firmi
- firma
答えと解説
正解:1. firmi
Dottor を付ける相手は Lei です。-are 動詞の Lei の命令は -i(firmi)です。
問2
Marco, ( ) la porta, c'è corrente!
- chiudi
- chiuda
答えと解説
正解:1. chiudi
Marco は親しい相手の tu です。-ere 動詞の tu の命令は -i(chiudi)です。
問3
Giulia, non ( ) la chiave in macchina!
- dimentichi
- dimenticare
答えと解説
正解:2. dimenticare
tu への否定の命令は non + 不定詞です。dimentichi は Lei の形です。
それぞれの文法の詳しい説明
- 「tu」と「voi」の命令法の意味と使い方 命令法(tu・voi への「〜して」)
- 敬称「Lei」の命令法の意味と使い方 Lei(あなた)への命令(〜してください)