イタリア語の「il」と「un」(定冠詞と不定冠詞)の違い
どちらも名詞の前に付ける冠詞です。定冠詞(il)は話し手と聞き手に「どれか分かっている」ものに、不定冠詞(un)は初めて話に出るものや「どれでもよい 1 つ」に使います。
使い分けの表
| 定冠詞 il | 不定冠詞 un | |
|---|---|---|
| 意味 | 定冠詞(その〜) | 不定冠詞(ある・ひとつの) |
| 表すこと | 特定のもの・話に出たもの(il libro) | 初めて出るもの・どれでもよい(un libro) |
| 複数形 | ある(i libri, gli amici) | ない(dei libri などで言う) |
| 1 つしかないもの | 付ける(il sole, la luna) | ふつう付けない |
| 最上級 | 付ける(il più alto) | 「いちばん〜」には使わない |
例文で比べる
○ = 自然 △ = 通じるが、その場面・文体には合わない × = 不自然・誤り
○
Roma è la capitale d'Italia.
ローマはイタリアの首都です。
×
Roma è una capitale d'Italia.
ローマはイタリアの首都です。
首都は 1 つしかないので、特定のものを表す定冠詞 la を使います。
○
Marco è il ragazzo più alto della classe.
マルコはクラスでいちばん背の高い男の子です。
×
Marco è un ragazzo più alto della classe.
マルコはクラスでいちばん背の高い男の子です。
「いちばん〜」と範囲の中で 1 人に決まる時は、定冠詞を使います。
○
Ho sete: puoi portarmi il bicchiere?
喉が渇いた。あのコップを持ってきてくれる?
○
Ho sete: puoi portarmi un bicchiere?
喉が渇いた。コップを 1 つ持ってきてくれる?
il は「あの(分かっている)コップ」、un は「どれでもよいコップ」。どちらも自然です。
覚え方・注意点
- 初めて話に出る時は un、2 回目からは il を使います(Ho un cane. Il cane è bianco.)。
- 世界に 1 つのもの・最上級・序数の前は定冠詞です(il sole, il più alto, la prima volta)。
- どちらも名詞の性・数と次の音で形が変わります(il / lo / l'、un / uno / una)。
確認問題
( )に入れるのに、より自然なのはどちらでしょう。
問1
Ho ( ) fratello a Osaka. Si chiama Kenji.
- il
- un
答えと解説
正解:2. un
初めて話に出る人なので不定冠詞 un を使います。il は、すでに話に出た特定の人に使う形です。
問2
( ) sole tramonta molto presto in inverno.
- Un
- Il
答えと解説
正解:2. Il
太陽は 1 つしかなく特定されているので、定冠詞 il を使います。
問3
Luca è ( ) ragazzo molto simpatico.
- il
- un
答えと解説
正解:2. un
「感じのいい男の子の 1 人」と初めて紹介する言い方なので un です。il だと特定の男の子になります。
それぞれの文法の詳しい説明
- 「il / lo / la」の意味と使い方 定冠詞(その〜)
- 「un / uno / una / un'」の意味と使い方 不定冠詞(ある・ひとつの)